一般財団法人 日本口腔保健協会

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FAQ お口の相談室

子どもの口の悩みにお答えします。

乳幼児(0~5歳)

むし歯は感染すると聞きましたが、本当ですか?
むし歯は「むし歯菌」の感染によってできます。一番身近なお母さんから赤ちゃんにうつるといわれていますので、スプーンや歯ブラシの共用はしない方がよいです。
また、お母さんにむし歯はありませんか。早く治療してお口を清潔に保ちましょう。
子どもに乳歯のむし歯がありますが、痛がらないので治療しなくてもよいですか?
乳歯は知覚神経が鈍いので重症化するまで痛みが出にくいのが特徴です。大きなむし歯になると、あごの中で待機している永久歯にむし歯菌が感染することもあるので、一度歯科医院に相談した方がよいでしょう。
子どもが仕上げみがきを嫌がります。仕上げみがきのコツはありますか?
保護者のひざの上に子どもの頭をのせて、歯の生えている場所や歯の形をよく見てください。
特に敏感な上の前歯は、左手で唇をそっと押し上げて、歯ブラシが小さな歯からはみ出さないようにみがきましょう。
乳歯のすきっ歯や受け口(反対咬合)は、すぐに矯正した方がよいですか?
すきっ歯は、乳歯の歯ならびの特徴です。あとから生えてくる大きな永久歯のスペース分を確保するためです。受け口(反対咬合)の場合は、3歳ころまでに自然に治らないときは小児歯科に相談しましょう。
1歳の子どもがなんでも手づかみで食べ、スプーンを嫌がります。
1歳を過ぎると何でも自分で食べたがります。足元にシートを敷き、思い通りに食べさせてあげましょう。きゅうり、にんじんなどの野菜スティックやトーストの細切りを手で食べると、いつもと違う楽しさが味わえます。スプーンはおとなが使って見せて、2歳くらいから練習してみましょう。
おやつに気をつけたいと思いますが、どのように注意すればよいですか?
飲み物やくだものにも多くの糖分が含まれています。赤ちゃんは生まれながらに甘党で、生まれて数時間の赤ちゃんでも甘い液にはとても穏やかな表情を示し、苦い液にはいやな表情をします。
いろいろな味の体験の少ない子どもは、甘いもの=おいしい物とインプットされますので、どんどん濃い甘さを好むようになっています。味覚のセンサーが衰えないように、薄味を心がけてあげましょう。
乳歯が生えてきましたが、歯みがきはどうしたらよいですか?
大人のように自分で歯みがきができない赤ちゃんの歯の健康は、まさに保護者のケアに委ねられています。できれば、歯が生えてくる前から歯みがきに親しむことが大切です。赤ちゃんの大好きなガーゼのハンカチを渡して口に入れたり、おもちゃ代わりに、ゴムの歯ブラシ(安全な赤ちゃん専用)を与えてしゃぶらせたりするのもよい方法です。
歯みがき嫌いにしないためにも、歯が生えたとたんゴシゴシみがいたりしないでくださいね。
偏食のない子どもに育てるために離乳食はどうしたらよいですか?
離乳食は5~6か月頃からはじめますが、一番は、赤ちゃんそれぞれの発育に合わせることが大切です。あまり早くはじめると、胃腸の善玉菌が育たず胃腸の弱い子どもになってしまうこともあります。
また、歯が何本生えているかにも注目してください。奥歯がそろわない時期から、かたい食べ物や繊維質のものを与えるのは問題で。逆に、歯がそろっているのに、やわらかい食べ物中心の食事では成長に見合っていませんね。あなたの赤ちゃんの発育をよくみてあげてください。

学童期(6歳~12歳)

子どもがゲームをしながらジュース500mlくらい飲んでいます。よくないでしょうか?
発育ざかりの子どもに肥満が増えているようですが、運動不足とそれに伴う「ながら食べ」が大きな原因です。ゲーム・テレビなどの室内遊びが増え運動量は減少しているのに、おやつは食べすぎ傾向があるからです。ちなみに500mlのジュースは250kcalで、おにぎり2個分です。
カロリーの「イン」と「アウト」のバランスを考えることが大切です。
もちろんむし歯になる危険度も高くなってしまいます。
小学生なっても指しゃぶりをしています。なおした方がよいですか?
指しゃぶり、飲み込むときに舌を前に出す、唇をかむくせなどの癖は、歯に過剰な力が加わるため歯ならびを悪くすることがあります。また、ほおづえをついて本を読む、テレビを見るなどの姿勢も、あごの成長のバランスを崩します。
癖をなおすには時間がかかりますが、根気よく注意をして直してあげましょう。
歯みがき剤は使ったほうがよいですか?
歯みがき剤を正しく理解して使用することが大切です。
「研磨剤によって歯をすり減らす」、「発泡剤やミントの爽快感で、みがけたつもりになる」などの理由で、使用をすすめない歯科医師もいます。しかし、最近の歯みがき剤は低研磨剤や低発泡剤のものが多くなっています。配合成分により、フッ化物によるむし歯予防、消炎作用による歯周病予防などの効果が期待できますので、目的に応じて選択するとよいでしょう。
下の前歯の乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきました。このままでよいですか?
下の前歯は、乳歯がまだ抜けないうちに生えてきて、2枚の歯が並んだようになることがあります。しかし、永久歯が伸びてくると、舌の圧力で正しい位置に誘導されて乳歯がぬけます。
乳歯がいつまでもしっかりしている場合は、歯科医院でみてもらいましょう。
いつもポカンと口を開けています。注意してもなかなか直りません。
最近の若い世代に口で呼吸をしている方が多いようです。口で呼吸していると唾液が減り、汚れが洗い流されないため、むし歯や歯周病になりやすい環境になります。鼻炎などの原因がある場合は、治療をして鼻呼吸ができるようにしましょう。
学校からの歯科健診結果に「CO」と「GO」がありましたが、どういう意味ですか?
COやGOの状態というのは、むし歯や歯周病のごく初期の状態をいいます。病気になる前に気づいて、進行しないように口の中の環境を改善できれば、健康な状態に回復することも可能です

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大人の口の悩みにお答えします。

おとなのむし歯の特徴を教えてください。
おとなのむし歯で最も多いのは、
1. 二次う蝕:子どもの時に治療したむし歯の再発
2. 根面う蝕:歯肉が退縮して歯の根が露出した部分のむし歯
3. 隣接面う蝕:歯と歯の間にできるむし歯

40歳ころから歯肉退縮が進み、すき間に汚れが停滞しやすくなります。歯ブラシだけでは除去が困難になってきますので、歯間ブラシやデンタルフロスが必要になります。また、1年に1~2回の定期歯科健診とクリーニング(歯石除去など)を受けましょう。

「おとなのお口の健康―おとなのむし歯の特徴―」

歯周ポケットとは何ですか?
歯と歯肉の間に歯垢や歯石が付着し歯肉の炎症が進むと、歯と歯肉をつなぐ繊維が破壊され、深い溝を形成します。これを歯周ポケットといいます。

「おとなのお口の健康―歯周病はバイオフィルムによる感染症―」

歯周病が全身の健康に影響するのですか?
歯周病が進行すると、その原因となる細菌が血液中に入り、心臓などに感染を引き起こす場合があります。また、歯周病菌が心臓をとりまく冠動脈に感染すると、動脈内にプラーク(細菌塊)をつくることから動脈硬化がおこり、狭心症や心筋梗塞の原因になるともいわれています。

「おとなのお口の健康―歯周病とメタボリックシンドロームとのかかわりへー」

口臭が気になります。原因はなんですか?
口臭の原因はさまざまですが、おもな原因は以下のとおりです。
1. 歯垢(デンタルプラーク)
2. むし歯、歯周病 
3. 喫煙
4. 食べ物(ニンニク、葱など)
5. 舌苔(ぜったい)
6. 口呼吸
7. 生理的な口臭(起床時、空腹時)
8. 全身的な病気、降圧剤など口腔乾燥の副作用のある薬の長期服用

口臭予防は、丁寧に歯みがきをする、禁煙をする、歯・歯肉の治療をするなどの、効果がはっきりしているものと全身的な病気や、ストレス・疲労などの、対策の難しいものもあります。なかなか改善しない場合は、専門家に相談してください。口腔乾燥はお口の健康のリスクになりますので、「よく噛む」、「唾液腺マッサージ」なども実行しましょう。

「おとなのお口の健康―よく噛むことのメリットー」

口呼吸と言われます。口で呼吸するとなぜよくないのですか?
最近、アレルギー性鼻炎や花粉症などで、口呼吸(こうこきゅう)をしている方が増えています。睡眠時のいびきも同様ですが、口呼吸は、唾液が蒸発し口腔が乾燥するため、自浄作用や抗菌作用が低下し、むし歯や歯周病にかかりやすく、また、インフルエンザなどウィルス感染しやすくなります。
口唇を閉鎖する筋肉が弱いことも原因のひとつですが、鼻呼吸になるよう対策を考えましょう。

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