「健口チャンネルⅨ」~肥満の人は歯周病になりやすい⁉よく噛むことで肥満解消!~

健康情報

肥満と歯周病の関係

歯周病と肥満は相互に関連しています。歯周病は肥満を引き起こし、肥満が歯周病を悪化させることが様々な研究で明らかになってきています。
脂肪細胞でつくられる炎症性サイトカイン「TNF-α」は、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かし、歯周病を発症、進行させる作用があります。肥満の人は脂肪細胞が多いため、多量に分泌された「TNF-α」が歯槽骨の吸収を早めているのではないかと考えられています。
また、「TNF-α」の影響で脂肪細胞が肥大しやすくなり、脂肪を蓄えやすくなるのではと考えられ、「TNF-α」が血中を移動することによって血管内皮細胞や白血球を刺激し、血管に負担をかけて動脈硬化や心筋梗塞発症のリスクが高まるとも言われています。

 

 

速食いと肥満の関係

近年の疫学調査により、速食いの人にBMI(Body Mass Index)が高い、つまり肥満が多いことが明らかになりました。35~69歳(平均年齢48歳)の成人(男性3,737人、女性1,005人)を対象とした疫学調査の結果で、食べる速さ(5段階の自己評価)と肥満度(BMI)の関連をみたところ、速食いの人は現在のBMIが高い傾向にあることがわかりました。

食べる速さとBMI(Body Mass Index)の関係

参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」より

 

しっかり噛んで肥満解消

効果的な肥満対策は、しっかりよく噛んで食べることです。
脳にはよく噛むと、食べたエネルギーの量にかかわらず、少量でも満腹を感じられる仕組みが備わっています。この仕組みは「脳内ヒスタミン神経系」と呼ばれ、覚醒レベルや集中力・注意力をアップさせ、食欲を抑制する働きも担っています。さらに、内臓脂肪を燃やす効果があることがわかっています。

一口30回奥歯でよく噛む

食事は20分かけること

 

 

歯を失うと噛めなくなる

「噛む」ことに加え、「噛める」ことも大変重要です。年齢が上がるとともに、「20歯以上の歯を持つ人」の割合が減少し、「何でもかんで食べることができる」人の割合も減少します。

 

「何でもかんで食べることができる」人と「20歯以上の歯を持つ」人の割合

 

噛めなくなると、栄養バランスが崩れる

噛めなくなると、硬い食品を避けるようになり柔らかい食品を摂取するようになります。その結果、ミネラル・ビタミン・食物繊維などの摂取量が少なくなり、栄養摂取のバランスの崩れにつながることがわかっています。

 

咀嚼に問題がある群の各種栄養摂取量の比較

参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」より

 

食べ物を「よく噛むこと」「よく噛めること」は、健康づくりにとって大変重要です。
年末年始、おいしい食事を摂る機会がが多くなります。
日頃の食べ方のチェックをしてみませんか?

 

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