新型コロナに負けない健康のヒントⅧ~歯周病と糖尿病の関係~
健康情報
6月19日、「県境をまたぐ移動の自粛」が全国で解除されましたが、感染拡大の「第2波」「第3波」が懸念されています。引き続き、日常生活の中で「新しい生活様式」を心がけていきましょう。
「新しい生活様式」の実践例
1人1人の基本的な感染対策
厚生労働省HPより
糖尿病とは
糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続くことで、全身の血管が傷つき、それによって末梢神経や腎臓、目の網膜など、さまざまな器官や異常が現れ、合併症を伴い死にいたる怖い病気です。
また、糖尿病は、1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型はインスリン依存型とも呼ばれ、自己免疫疾患などが原因でインスリン分泌細胞が破壊されるもので、インスリンの自己注射が必要です。
2型は、インスリン非依存型と呼ばれ、遺伝的要因に過食や運動不足などの生活習慣が重なって発症します。
新型コロナウイルスの感染で重症化につながる基礎疾患の1つです。
糖尿病と糖尿病予備群の推計
日本では糖尿病の疑いがある人(可能性を否定できない人を含む)は成人の5人に1人、約2,000万人にのぼっています。
平成28年「国民健康・栄養調査」の結果より
歯周病と糖尿病の密接な関係
歯周病と糖尿病の双方向性
歯周病が重症化すると、歯周ポケット内の歯周病菌が血管内に侵入し、「炎症性サイトカイン」を産生し、血糖をコントロールしているインスリンの働きを妨げるため糖尿病が悪化します。
また、糖尿病が悪化すると歯周病菌に感染しやすくなり、歯周病が重症化します。
歯周病治療で血糖値が改善
歯周病を治療することで炎症性サイトカイン(TNF-α)が抑えられ、インスリンの働きが活発になり、糖尿病のコントロール状態をあらわす糖化ヘモグロビン(HbA1c)が改善されることが明らかになっています。
一般財団法人日本口腔保健協会冊子「口からはじまる全身の健康」より
歯周病の予防は、セルフケアと定期的な歯科受診
セルフケアとプロケアは車の両輪
かかりつけの歯科医院で、定期的にチェックを受けることで自覚症状の少ない歯周病を発見できます。プロケアで歯周病になりにくい環境を整え、毎日のセルフケアで維持することが重要です。